これからの宮崎をリードする人材を育てるための人材育成プログラムである「ひなたMBA(みやざきビジネスアカデミー)」。このプログラムを初めて知った方や受講を悩んでいるという方もいらっしゃると思います。そこで今回は、宮崎大学の教授で「ひなたMBA」の講師も務める杉山智行さんにプログラムの概要や開講の狙いについてお話をお聞きしました。
——人材育成プログラムの中で、具体的にどういった力を身に付けることができるのでしょうか?
杉山智行(以下、杉山):個人や企業が今持っている既存の価値をどう高めていくか、そして新しい価値をどう生み出していくかという二つの力を身に付けるためのプログラムを用意しています。今の時代に必要なのは、目まぐるしく変革する社会の中で”知を創造する”ことです。学んで終わりではなく、学んだことを生かして日々、未来を切り開いていく。「ひなたMBA」がそのきっかけになればうれしいです。
——「MBA」というと、宮崎ではあまりなじみがなく少しハードルの高さも感じます。誰でも受講できるものなのでしょうか?
杉山:実際に、企業の課題を題材にした経営者向けのプログラムももちろんありますが、社会人になったばかりの方が参加できるプログラムも用意しています。たしかに「MBA」と聞くと敷居が高く感じるかもしれませんが、簡単に言えば“学び直し”のきっかけ作りと考えてもらえればいいです。「ひなたMBA」を受講した後にさらに専門的に学ぶのもいいですし、他の企業に出向して学ぶのもいいと思います。いつもより一歩外に出て学ぶという体験をしてもらうことこそが「ひなたMBA」の狙いでもありますから。
——あまり難しく考えずにとりあえず学んでみるという姿勢が大事ということですね。
杉山:そうですね。しかも、会社員時代に通信制の大学院でMBAを取得した私からすれば、宮崎でリアルにこうした内容を受講できるのは、とても貴重な機会だと感じます。宮崎でも昔から“学び直し”に興味を持っている方は多くいましたが、そのチャンスが少なかったですから。今は都市部に行かなくてもそれが叶う。ぜひ、多くの方に受講していただきたいです。
——宮崎で受講するメリットや「ひなたMBA」の特徴について教えていただけますか?
杉山:新事業を引っ張るリーダーや商品開発におけるリーダーなど、どれだけ多くのリーダーを輩出しているかどうかで全国は勝負しています。宮崎もそこで競争していかなければならない。そういった意味でも、地元のニーズに即した題材を使って学べることがメリットであり「ひなたMBA」の特色です。
——最後に受講を考えている方に向けてメッセージをいただければと思います。
杉山:これは特に経営者の方々にも伝えたいことなのですが、受講を考えている社員の方がいれば快く送り出してほしいです。企業外での学びは”投資”みたいなもので、最終的に還元され会社の価値を高めます。5年後になるか10年後になるかは分かりませんが、「あの時参加しておいて良かったね」と言える日が必ず来るはずです。宮崎の企業人が輝いている姿を見て若者が憧れる、そんな未来を楽しみにしています。
取材・撮影・構成=田代くるみ(Qurumu)、執筆=杢元主将