「ひなたMBA(みやざきビジネスアカデミー)」は、宮崎県が主催する今後の宮崎をリードする人材を育てるための人材育成プログラムです。経営幹部向けの講座から若手社員が受講できる講座まで、プログラムは多岐にわたります。今回はその中の一つ、「相手を動かす思考スキル」の模様をお届けします。
若手リーダー以上を対象とした「相手を動かす思考スキル」では、問題解決力を高めると同時に、周囲を巻き込んで動かす実践力を磨いていきます。株式会社グロービス※と共同で開講しているプログラムで、事前課題や当日演習をもとに講師や受講者同士で何度もディスカッションを行ったり、期間中に学んだことを実践に応用できることが大きな特徴の一つです。
総合商社で国内外のHRM(人事労務管理)に携わった経験を有し、現在グロービス経営大学院で論理思考や問題解決、ファシリテーションなどの講義を担当する虻川吾郎講師が登壇しています。毎回約7時間、3回かけて行う同プログラムには、今年22人の受講者が参加しています。1回目の講座テーマは、「考える力を高める」。説得力や納得感のあるコミュニケーションを行うために必要な論理展開の型を学びながら、各自の思考の癖についても掴んでいきました。
そして10月20日に行われた第2回目のテーマは、「問題解決の型を理解する」。課題に対する解決策を考える際に必要なプロセスを理解し、問題解決を行う上で効率的かつ効果的な意思決定ができるようになることを目指します。前半は「問題解決のプロセス」と「仮説構築と論理構造化」について、後半は「ファシリテーションの基本」について学びました。
前半はグループ演習からスタート。グループは毎回異なり、若手から中堅社員までの幅広い年齢層と様々な職種のメンバーで構成されています。2回目ということもあり、前回よりもリラックスした雰囲気の中行われたディスカッションは、どのグループも多くの意見が飛び交い、笑顔も見られるなど大いに盛り上がっている様子でした。
続いて、前回の内容を踏まえながら取り組んだ事前課題をもとに、本日2度目のグループディスカッションを実施。取り組んだ課題を他の受講者と共有したり、話し合いをしたりすることで自身の考えの傾向や新たな視点を得ることができます。
ディスカッション後は、毎回講師による解説タイム。講座は単調的なものではなく、講師と受講者との双方向コミュニケーションを図りながら進めるのも特徴の一つです。実際に今回の講座でも、講師が受講者からの回答を一度受け止めた上で、「確かにその意見もありますね」「と言うことはどうなりますか?」などと導くシーンが何度も見られました。受講生の思考を刺激する質問を重ねることで、一つの「正しい」答えを見つけ出すのではなく、これまでの自分にはなかった異なる視点からの理解を深め、新しい知識や経験に結び付けることが狙いのようです。
後半は、ファシリテーションの定義や会議を行うメリットなど基礎的な知識を学んだ後、ロールプレイングに取り組みました。4人の受講者が演習している様子を全員で観察し、振り返りや気付きを共有し合いました。
中には慣れない取り組みに苦戦する受講者もいましたが、「学んだことを即座にトレーニング」することで理解力の向上や、短期間での学びの獲得に繋がっている模様です。学びを実務に活かせるよう、最終回までに職場等での実践課題が盛り込まれている同プログラム。講座終盤では、各自具体的に何を実践するかを考える場面もありました。
宮崎の未来を担っていく受講者の皆さんが、どのように学びを活かしていくのか、今後の活躍が楽しみです。
取材・撮影・構成・執筆=藤井美帆(Qurumu)
※グロービス (https://www.globis.co.jp)
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